未来の安全と防災につなぐ研究に学生たちも意欲的に取り組んでいます。

東日本大震災では液状化現象が大きな問題となりました。こうした問題に対処するために も、液状化が起こりやすい地盤条件や、その土地が過去に経験した災害の歴史を知ることが重要です。そこで東日本大震災の液状化被害のデータをまとめ、現在は一般公開に向けた準備に着手しています。
私の研究室の学生は液状化や防災に関する卒業研究を行いますが、なかには学術レベルの高い論文もあり、これまでに「箱根の災害ウォッチ」や「関東大震災液状化現象の目撃談集」など、いくつかの研究が新聞に掲載されました。また最近では「東日本大震災の水道管被害の分析」という論文を学生と共著で作成し、日本地震工学会で発表しました。学生には常に「あなたたちのやっていることは社会的に大きな意義があるのだ」と伝えています。意欲や使命感を持って学び、これからの土木や防災を担う人材として成長していってほしいですね。 

 
 東日本大震災による液状化現象の実態調査
締め固まっていない砂質の土地や埋立地など、液状化しやすい地盤では、震度5強以上で液状化が起き始めることが過去の統計でわかっています。2011年の東日本大震災では、実際にどこで液状化が起こり、どんな被害があったのか、青森県から神奈川県まで4年かけて約1万ヶ所のデータベースを作成。ニュージーランドの学会で発表しました。

Profile

理工学部理工学科 若松 加寿江 教授(わかまつ かずえ)

東京都出身。早稲田大学理工学研究科修士課程修了、東京大学生産技術研究所研究員、国立研究開発法人防災科学技術研究所研究員などを経て現職。専門は地盤工学・都市防災工学。著書に「日本の液状化履歴マップ745-2008」(東京大学出版会)などがある。

※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。