未知なる植物の粘り成分を解明し、環境改善や産業創出に貢献します。

私の研究室は、食品の粘り、すなわち「植物性粘性物質」を専門とする非常に珍しい研究 室です。そのためさまざまな企業から研究依頼が舞い込んでおり、学生たちも社会のニーズ に応えるべく実験に励んでいます。
沙蒿(サーホウ)の研究を始めたのは約3年前。強力な粘りと保水性、繁殖力を持つこの植物は、砂漠の緑化への利用が期待されていますが、それだけでは利益につながらないため、現地では栽培が進んでいません。そこで、食用として活用できないだろうかと外部機関から相談を受けたのがきっかけです。
粘り成分を分析して、食品加工用の増粘剤としての適性を検討したり、食用油の原料としての可能性を探るなど、学生たちはまさに粘り強く沙蒿と向き合っています。沙蒿の研究はほとんど例がなく、まだ始まったばかり。将来は砂漠緑化や黄砂の減少、さらに日本企業や現地の人々の利益につながるような産業に発展することを夢見ています。 

 
 沙蒿(サーホウ)種子の有効利用化と植物性粘性物質の研究
沙蒿(サーホウ)とは、中国北部の内モンゴル地区の乾燥地帯に自生するキク科ヨモギ属の植物。種子表面の強力な粘り成分が存在し、わずかな雨でも保水して土壌を固めて繁殖するため、砂漠の緑化につながると考えられています。そこで、現地での栽培推進の手助けとなるよう、食用としての利用価値を見出す研究をしています。

Profile

栄養学部管理栄養学科 津久井 学 准教授(つくい まなぶ)

静岡県生まれ。東京農業大学大学院生物産業学研究科博士後期課程修了。食材に関してユニークな研究を続けている。親しみ易い人柄と、流暢な語り口で、テレビのコメンテーターとしても活躍している。

※ 所属、学年などは、全て取材当時のものです。